サムホール展寄付先訪問 奥能登~寺家キリコ祭りへ -1泊2日・能登半島珠洲市泊-

2023年9月9日(土)~10日(日)

第16回サムホール展の売上の寄付先の一つである「寺家のキリコ」
今回、能登地震で被災したキリコが修復され、立派になった「日本一大きいキリコ祭り見学ツアー」を企画しました。

修復に携わった輪島塗や彫刻の作家の工房見学では、作家さんより直にお話に耳を傾け、お祭では地元の漁師さんたちとの食事(よばれ)を楽しみ、普段の観光旅行とは一味違ったアトリエならではのツアー体験してまいりました。

 

■1日目:祭りのキリコ彫刻の作家・大宮静時工房見学からスタート!


■昼食は古民家レストラン 珠洲織陶苑 典座で珠洲の郷土料理を味わう
もともと瓦屋だったというだけあり、珠洲の街並みは瓦屋根の景色が今でも残っています。
現在は古民家の蔵をギャラリーにしており、訪問した日は珠洲焼などを展示していました。


午後は二手に分かれて「珠洲焼体験」と見附島や珠洲焼資料館/国際芸術祭の「散策」へ


■お祭り前の
寺家キリコを鑑賞!
三崎町寺家のキリコは全部で4基。(4つの組合が、それぞれ競い合ううちに高さが日本一になったそうです。)

そのうちの1基(川上本町地区)のキリコ修復にサムホールの売上を寄付いたしました。
どれも迫力満点のキリコですが、修復されたものはより一際美しかったです。刷毛目なくこの長さに漆を塗る技術に皆さん見惚れていました。
日が落ちる前に見られたので、繊細な彫刻や天井の装飾など、細部までじっくり鑑賞できました。


■夕食は寺家集会場にて地元料理の「よばれ」
体験
能登では祭りの日に自宅に招いて、ご馳走をもてなす「よばれ」という風習があります。
家々の玄関が開け放たれ、誰でも出入りできるようになっているそう。


■寺家キリコ祭り!
夜通し巡業するキリコ祭り。 夜の21時ごろに各地区より、海岸線を従業しながら珠洲神社に集まります。そのあと、神事が執り行われた後、ホラ貝の合図で珠洲神社を出発し、明け方まで町内を巡業します。参道にしかれた、藁に火をつけて神輿が火の上を駆け抜ける「火渡りの神事」も見ものだそうです。
が、我々は4基のキリコが珠洲神社に集合するところまでを見届け、東京では見られない星空を眺めながら宿に戻りました。




■2日目:宿泊先の木ノ浦ビレッジで朝食


■道中の寄り道も楽しみました


■輪島 島口工房見学
や塗料の解説、修復の流れなどを教えていただき、時間が足りないくらい皆さん熱心に質問されていました。
寺家キリコも向こう何十年は手をかけなくて良いくらいのレベルの修復をしたとのこと!

修復をメインにされているので、昔の朱は貴重なのだそう。
なんせ朱には水銀が使われていたので現代は製造が禁止されています。
古いものを修復するにははやり当時の色を使うことが望ましいですが、神社の馴染みある朱色が別の色になる日も遠くないかもしれません。


■昼食&海沿いカフェでデザート


■輪島塗沈金体験&ショッピング

「蒔絵」は漆器の表面に施す装飾ですが、「沈金」は塗膜を彫り溝に金銀を入れる装飾です。
何層も塗り重ねるのことで塗膜に厚みができる輪島塗だからこそできる技法です。
沈金体験では、ころころ滑るお箸に線を彫る難しさを実感しました。
職人さんの技量は凄い!

 

寄付先へ会員さんと訪問するのは初めての試みでしたが、みなさん学びも多い刺激的な旅となったようです。
今回アテンドをしてくださった大家漆器店は、2023年11月に弘重ギャラリーでの展示を予定しております。
是非、輪島の漆器の手仕事を直にご覧ください!

また次回のサムホール展は2024年4月を予定しております。
皆様のご協力が文化芸術復興支援へと繋がります。どうぞ宜しくお願いいたします!